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第12章

幽霊西へ行く(日语原文)-第12章

小说: 幽霊西へ行く(日语原文) 字数: 每页3500字

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兢Α筏趣いδ肖鞣辅D―この人物が詐欺《さぎ》の常習犯で、あなたの小説の愛読者なんですよ。ところが、彼《かれ》はあの幽霊《ゆうれい》のアイデアを見たときに、これあるかなと膝《ひざ》をたたいて感心したのです。それから、彼は自分の仲間の勝田省吉という男と一緒《いつしよ》になって、いろいろと幽霊を出すのにふさわしい場所を探《さが》してまわったのです。そして、発見したのが、M国の公使館でした。
 M――という国の名前も、はっきりいえませんけれども、中米にある一つの小国だと思って下さい。その言葉はスペイン語ですが、これが大いに役だったのです。英語やドイツ語、フランス語などではいけなかったのですねえ。
 スペイン語を話せるのは、公使とその家族だけ、ほかの館員は、日本語しか話せません。両方の言葉を使えるのは公使の秘書の二世ひとりで――ドン?山下というような名前にしておきましょうか。
 二人はまず、このドン?山下をだきこみました。大芝居《おおしばい》を打つためには、少しぐらいの資本投下はがまんしなければいけないから、まず公使館で輸入する免税《めんぜい》の洋酒を少し分けてもらえないかというような名目で、ドンに接近し、飲ませたり、女を世話したり、金をつかませたりしながら、むこうの態度を観察したのですね。それで、これは物になりそうだとにらんでから、儲《もう》けた金の何割かを分けてやるという約束《やくそく》で、とうとう仲間にすることに成功したのです。
 ドンの方は、この大芝居がすんだらすぐに本国へ高とびするということになっていました。なにしろ、外交官のことですから、旅券はいつでも自由になりますからね。
 さあ、これからがいよいよ、幽霊の登場ですよ。ドンは、それから勝田省吉を公使館へ連れて行き公使に紹介《しようかい》しました。
 もっとも、むこうは日本語はわからない、こっちはスペイン語がわからないと来ているから、これはドンの一人|舞台《ぶたい》です。
 公使には、自分の友人だが、ちょうど公使館へ撸Г婴死搐郡榻B介しましょうと持ちかけて、それから公使館の全員には、勝田君にはこれから自分の助手をつとめてもらうことになったから――と紹介したのですね。
 公使の方は、館外のただの日本人だと思っている。館員の方は、正式に館員となったものとばかり思いこんでいるものだから、たとえば、外部から電話がかかって来て、
 ――勝田さんというお方は、そちらにおつとめですか?
 というような問いあわせがあったとしても、
 ――はあ、たしかにおつとめになっていますが、今日はおでかけでございます。
 という風な返事をするでしょう。何しろ、交換手《こうかんしゆ》から小使に至るまで、一人のこらず、正式に秘書の助手になったとばかり、思いこんでいるのですから、絶対にぼろが出る気づかいはありませんねえ。たとえば、名刺《めいし》を作るにしても、公使館から電話をかけて、現品を公使館へとどけるんですから、こんなことで足がつく気づかいもありませんよ。
 公使の方も、友人にしては、ずいぶん足しげく撸Г婴死搐毪狮D―と思ったかも知れませんが、勝田省吉のほうも、そこはぬけめなく、公使にいろいろの物を贈《おく》って、しきりにきげんをとっていたんですよ。
 公使にしたところで、金には不自由はないとしても、やっぱり遠い異国に来ていて、外国人から親切にしてもらえば、そこは人情としてうれしいでしょう。勝田省吉が来るたびに、にこにこして話しあっているものだから、それを見ている館員たちの方は、完全にだまされてしまったのも無理はありません。こういう風にして、M公使館の幽霊《ゆうれい》は、みごとに誕生《たんじよう》したわけですよ……

    3

 さて、これからがいよいよ、本筋のお芝居《しばい》です。数か月にわたって、公使と館員をぶじにだましおわせた勝田省吉とドンは、いよいよ、外部への工作にかかったのですね。ちょうど、時はデフレの真最中で、相当の大会社でも、金ぐりには青息|吐息《といき》の状態だったとお考え下さい。
 そういう時に、会社の方では、まず約束《やくそく》手形を振り出して、これを現金にかえ、急場をしのごうとするものですよ。約束手形といいますと、早くいえば借金の証文のようなものです。三か月なら三か月先に、これだけの金をわたすという約束で、手形に金額を書きこんで、むこうにわたすわけですよ。たとえば物を買って、その支払《しはら》いにあてるというような目的に使うのが、本来の性伲胜韦扦工ⅳ长Δい鹑凇钉螭妞Α筏耸工rには、その間の利子をさしひいて、現金をうけとるわけですね。これを俗に『手形を割る』といいますが――いや、あなたのようなお方をつかまえて、こんなに細かなところまで、お話しする必要はありませんでしたかな。
 ところが、手形というものは、期限が来るまでは、ぐるぐるいろんな人の手をまわって、有価証券としての性伲虺证盲皮い毪猡韦扦埂¥坤椤ⅳ辘摔长问中韦蛟p欺《さぎ》で持って行かれたとしても、これが善意の第三者の手にわたれば、振《ふ》り出《だ》した側では、みすみす詐欺と知りながら、約束の金額を支払わなければならない羽目になるわけですよ。普通《ふつう》には、これをパクリといっていますがね……
 ところで、ドンと勝田の二人は、やっと適当なパクリの相手を探《さが》し出しました。これも会社の名前はちょっと出せませんから、かりに、丸々商事株式会社と呼んでおきましょうか。
 まず、勝田省吉は、自分の仲間をつかって、丸々商事の重役と連絡《れんらく》をとったのですよ。
 なにしろ、パクリ詐欺というのは、戦後の流行犯罪ですから、ちょっとやそっとの方法では一応の会社の重役なら、ひっかかる気づかいはまずありません。ところが、いやしくも一国の公使館ということにもなれば、これは必ず膝《ひざ》をのり出して来るでしょう。相手が日本人となると信用しなくても、外国人となると、無条件に信用してしまうのが、日本人の悪癖《あくへき》でしてね。
 話というのは、こんな工合だったのです。
 まず、一国の公使館だから、円の工面《くめん》はつかなくても、ドルだったら、くさるほどあると持ちかけました。M国は領土こそ小さいけれども、経済の豊かなことにかけては定評のある国ですから、誰《だれ》でも、なるほどというにきまっています。そこで、約束《やくそく》手形でドルを買ったら――とこう切り出すのですよ。
 一ドルは公定価格にあたる換算率《かんさんりつ》で、三百六十円ですけれども、そのころは闇《やみ》で四百円ほどしていました。
 つまり、公使館としては、いろいろの外交活動のために、円がいるけれども、それを正式に交換《こうかん》したのでは、ぴしゃりと一ドル三百六十円にしかつかないわけでしょう。それを闇で四百円で売れれば一ドルについて四十円が宙に浮《う》くから、それが公使のポケットマネ摔胜毪趣いΔ韦扦埂
 つまり、会社側は約手を渡《わた》して、その額面を一ドル三百六十円に換算しただけのドルの小切手を受け取る。ただ、それを正式に銀行に入れたのでは、やはり三百六十円にしかならないから、それをまた闇《やみ》で四百円に処分して、四十円とプラス?アルファをリベ趣趣筏瞥訾贰⒆苑证畏饯先倭畠谣蕙ぅ圣梗骏ⅴ毳榨·颏Δ堡毪趣いΔ韦扦埂
 われわれの眼《め》から見た日には、完全に外国|為替法摺础钉铯护郅Δい悉蟆筏摔胜毪铯堡扦工⒃挙谓畹坤贤à辘工毪郅赏à盲皮い蓼工贰ⅳ饯欷胜椁小ⅳ郡い皮い稳碎gはひっかかりますよ。
 それでも、一応だめおしぐらいして見なければ、重役の役目はつとまりません。そこで勝田省吉の仲間は、公使館さしまわしの自動車で、この重役を公使館へ案内したのです。
 まあ、誰《だれ》でも外国の国旗のついた大型車で、屋上に国旗のひるがえっている建物の中へ連れ込《こ》まれたら、九割九分までは信用するでしょう。そこへドンと勝田省吉が、笑いながら出て来て、公使の部屋へ案内する。公使としたって、勝田省吉には大変な好感をいだいていますからね。この重役にもにこにこして、握手《あくしゆ》ぐらいするにきまっていますよ。
 重役の方にしてみれば、これは感激《かんげき》ものですとも。一生|懸命《けんめい》、日本語で挨拶《あいさつ》したり、手形の方はよろしくお願いいたしますとたのみつづけるわけですが、公使の方は、一言《ひとこと》だってわかる心配はありません。
 ドンに、いったい彼は何をいっているのか――と、たずねると、ドンも心得ているものだから、――実は公使の自動車の古くなったのを、一台はらい下げてもらえないかというお話でございます。
 というようなことを、長々としゃべりまくるわけですよ。公使にしたって、忙しいし、たかが自動車一台のはらい下げぐらいで、そんなに時間をつぶしてもおれないから、
 ――オ饱ぁ⑨幛蟿偬锞趣庀嗾劋筏啤ⅳ瑜恧筏悉椁い郡蓼ā
 というようなせりふをのこしてひっこむでしょう。たしかに、勝田省吉というのは、ここでも幽霊《ゆうれい》になっているわけですね。公使の方も、会社の方も、おたがいに相手方の人間だと思いこんでいるわけですから。しかし、どんなに警戒心の強い重役にしたところで、ここまで来れば、まず百パ互螗趣悉坤蓼丹欷蓼工趣狻9工晤啢稀⒁粡昵挨猡盲菩凑妞扦郡筏幛毪趣いΔ趣长恧蓼恰ⅳ坤幛筏悉筏评搐郡椁筏い韦扦工⑾嗍证媳疚铯喂工坤贰ⅳ饯慰冥椤ⅴ‘ケイとか、カツタとかいう言葉が出ているわけですからね。
 この重役は、ドンと勝田にぺこぺこ頭を下げて、くれぐれもよろしくたのむといいのこすと、会社へとんで帰りました。何しろ、往きも帰りも、公使館の車で、しかも重役が腹から信用しきっているものですから、重役会議でも、可決されるのは当然でしょう。
 ただ、社長だけは裸一貫《はだかいつかん》からたたきあげて来た苦労人だけに、もう一度、だめをおさせたそうです。
 あらためて、公使館へ二度も電話をかけさせて、ほんとうに勝田省吉という館員がいるか――と問いあわせさせたらしいのですが、なにしろ、半年近くの工作で、水ももらさぬ準備ができていることですから、その辺にそつはありません。この報告をきいてから、初めて社長は決裁の判をおし、手形に六千五百万円という金額を書きこんで、その重役にわたしたわけです。
 重役の方は、その手形を持って、また公使館へのりこみました。弧钉础筏踏堡趣いκ证稀ⅳ瑜靴辘摔鲜工铯欷毪韦扦工⑶挨摔ⅳⅳ筏乒工趣猡ⅳ盲皮い毪长趣扦工贰⑼附ㄎ铯瓮覆课荬赝à丹欷仆溉碎gにあっているのですから、疑いをおこす方がどうかしています。
 ドンと勝田は、ここで手形をすかして見たり、ル冥钦{べて見たり、いろいろとこまかな芝居《しばい》をしたあげく、それでは、これを銀行で確認させたり、ドルの小切手をまた闇《やみ》で円にかえたりする都合があるから、一週間待ってもらいたいといい出しました。
 それは、もちろん、最初の約束《やくそく》の中に含《ふく》まれていますから、重役の方も、否《いな》やはありません。ただ、正式の預かり証をほしいといい出したのは、これは重役の職責として当然のことでしょう。
 ドンはタイプの前に坐《すわ》って、葉巻などくわえながら、ぱちぱちとタイプを打ちだしました。何しろ国旗を四方に印刷した用紙はいくらでも自由になるのですからね。勝手な文句をうちまくって、それから、
 ――それでは、公使のサインをもらって来ますから。
 と、ことわって部屋《へや》を出て、勝手に自分がサインをする。それから、時間を見はからって部屋へもどって、
 ――あいにく、公使はただいま、イギリス大使と重要会談中で、本日はおあい出来ませんが、くれぐれもよろしく申し伝えてほしいといっておりました。
 というようなことを、片言の日本語でしゃべりまくって、ごていねいに、スタンプをぱ螭趣饯紊悉摔筏郡饯Δ扦埂¥长违攻骏螗驻稀ⅳ嗓螭适旨垽摔扦狻⒈丐氦蛊胀à韦猡韦坤趣いΔ韦扦工⑷毡救摔稀负巍┲晔交嵘缛【喴凵玳L之印」などいうものをすぐ連想するものだから、これがたいへんなききめがあったのですね。
 ――これでよろしいですか。
 といって、つきつけられたところで、もともとスペイン語は一言もわからないものですから、たとえば、
 ――お前は世界第一の阿呆者《あほうもの》である。
 というような文句がならんでいたとしてもわかるような気づかいはありませんよ。それでも、この重役は一生|懸命《けんめい》、スペイン語のわかるような顔をして、この書類をにらんでいたそうです。そうしたら、またドンが、
 ――日本語で、書類をお作りすればよろしいのですが、公使は日本語が読めませんために、責任を重んじて、日本語の書類には、いっさいサインをなさいません。外務省を通じて交換される公式外交文書で、日本、スペイン両国語の正本が出来ているものは別ですが。
 といい出したのだそうです。これは完全な止《とど》めの一撃《いちげき》でした。このインチキ書類を、やはり公使館の正式の封筒《ふうとう》へ入れてもらってうけとると、重役は二人に三拝九拝し、喜んで会社へとんで帰ったのです。
 さあ――後にのこった二人は、笑いがとまらなかったことでしょう。半年の時間と、多少の資本はかかっているとしても、法律的には何の効力もない紙片一枚で、六千五百万円という正式の手形をパクれたわけですからね。その日のうちに、この手形は、一応善意の第三者ということになっている主犯の土屋|詮三《せんぞう》の手にわたったわけですよ。彼は何くわぬ顔で、この手形をまたべつの人間にわたし、現金にかえてしまいまし

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