爱爱小说网 > 恐怖电子书 > 幽霊西へ行く(日语原文) >

第18章

幽霊西へ行く(日语原文)-第18章

小说: 幽霊西へ行く(日语原文) 字数: 每页3500字

按键盘上方向键 ← 或 → 可快速上下翻页,按键盘上的 Enter 键可回到本书目录页,按键盘上方向键 ↑ 可回到本页顶部!
————未阅读完?加入书签已便下次继续阅读!



「おれの持っている実物のほうがいいな」
 田原修治は鼻で笑った。彼は涙《なみだ》ぐましい努力を続けて、最近やっと本物のスバルを手に入れたのだ。
「僕《ぼく》のフォ嗓衔宥晷亭坤ⅳ饯欷扦猡沥悚螭葎婴椁省
 偅x道も負けずにいった。
 しかし、他の三人、浜野常太郎、金子進、中崎隆一は、そんな野次《やじ》など耳には入らないらしく、よだれをたらさんばかりにして、吉岡茂の手もとを見つめていた。
「三千円出そう。ゆずってくれ」
 本物の車は一台もないが、模型は五十三台持っている浜野常太郎が目を光らせた。
「三千円? ふン、三万円でもいやだね」
「三万円も出せば、ポンコツが一台買えるぜ」
 金子進がふとい吐息《といき》をもらしていった。彼は本物にも関心があるが、その愛用車は、どんな自動車通が見ても、原型は何か、首をひねるようなしろものだった。彼の最大の夢は、いつか物好きな外人が、最高級車で追いかけて来て、
 ――この珍車《ちんしや》と自分の新車と交換《こうかん》しないか。
 と申しこんでくれることだった。
「三万円ぐらいの車じゃしようがないな。僕《ぼく》のラビット、ス雪‘フロ韦郅Δいぁ0佶恧蓼扦嫌啤钉妞Δ妞Α烦訾护毪贰ⅴ去毳骏偿螗些‘タ韦菠浅鲎悚猡いい贰偃咛郡摔悉饯い膜蛸Iうんだね」
 中崎隆一も、模型収集|狂《きよう》には摺钉沥筏い胜い⒔袢栅县摛毕А钉筏筏撙韦瑜Δ恕ⅳ长涡萝嚖韦长趣摔悉栅欷胜盲俊
「どうかね。ただの玩具《おもちや》ならともかく、模型じゃ、これ以上小さいものはできないんじゃないのかな。とにかく世界にただ一台しかないんだからな。珍品《ちんぴん》中の珍品だよ」
 吉岡茂が、得意の鼻をうごめかしたとき、浜野常太郎があわてて叫《さけ》んだ。
「おい! 何だか、こげくさいぞ!」

    2

 思いがけない出火だった。このコレクションを見ようとして、応接間を出てこちらの部屋《へや》へやって来たとき、誰《だれ》かが不用意に、ガススト证紊悉恕⒆詣榆囯j誌を棚《たな》からおとしたらしいのだ。
「水だ! 水だ!」
 どんなに精巧《せいこう》なできばえでも、模型の悲しさに、消防自動車は役にたたなかった。六人は右往左往して、ようやくこの火事を消しとめた。幸い被害《ひがい》はほとんどなかった。
 誰の責任か、損害が多かったか少なかったかはべつとして、こういうことがあると、どうしてもその場の空気は気まずくなる。五人の客は間もなくひきあげて行ったが、吉岡茂はその後で大変なことを発見した。せっかくの新車スバル三六〇が、姿を消していたのである。
「畜生《ちくしよう》! 誰か火事ドロをやりやがった!」
 収集|癖《へき》が高じると、誰でも珍品泥坊《ちんぴんどろぼう》をやりかねない。彼は、髪《かみ》をかきむしってうめいた。
 そこへ真っ青な顔をして帰って来たのは、妹の邦子《くにこ》だった。
「兄さん、たいへん、たいへんよ!」
「たいへんなのはこっちだ。誰《だれ》かがおれの大事なスバルの模型を……」
「玩具《おもちや》どころのさわぎじゃないわ。大島産業が不渡《ふわた》りを出したんですって」
 この話には、吉岡茂もぎくりとした。彼は父親からの遺産をついで、この会社の大株主になっていた。この会社がつぶれれば、破産とまでは行かないにしても、彼の財産は何割か、ふっとんでしまうことになるのだった。
「畜生《ちくしよう》! これじゃ新車が買えなくなる」
「兄さんたら何よ。いい年をして、自動車の玩具ばっかり夢中《むちゆう》で集めて……せめて、いくらかでも損の埋《う》めあわせに、そのガラクタを精神異常者仲間に売りとばしなさい!」
「そんな、そんな無茶な……この上、命から二番目のこのコレクションを手ばなすんじゃ、自殺するしかないじゃないか」
「まあ、兄さんという人は、ほんとうに精神|年齢《ねんれい》十二|歳《さい》ね」
 邦子は、おいおい泣き出してしまったが、そのそばで、吉岡茂は、何かにとりつかれたように、ぶつぶつひとりごとをいっていた。
「待てよ。名案が浮《う》かんだぞ。こんなわけで急に金に困るようになったから、あのスバルを売る――と持ちかけて、連中の反応を見たら、誰が盗人《ぬすびと》か見当がつくかも知れないぞ。そうだ。こんな収集家の面よごしをこのままほっておく手はない。ひとつ探偵《たんてい》をやって見よう」

    3

 その夜から降り出した雨は翌日の午後まで続き、それが上がってしまうと、今度は気持ちがわるいほどの陽気となった。秋とは思えないほどの暑さで、夜になってもいっこう冷えこまなかった。
 この日、吉岡茂は、夕方雨が上がると同時に出かけたきり、夜になっても帰らなかった。そして、その翌朝には、彼は死体となって、|井の頭《いのかしら》線、久我山《くがやま》駅の近くの林の中で発見されたのである。後頭部を鈍器《どんき》でなぐりつけられた上、ナイフか何かで胸を刺《さ》され、のどを切られていたのである。
 杉並《すぎなみ》署からの連絡《れんらく》で、加瀬敬介警部と横山部長刑事は、警視庁からすぐ車で現場へ急行した。この日もとんだバカ陽気で、哕灓筏皮い刖伽猡い盲绚い塑嚖畏櫎颏ⅳ堡盲绚胜筏皮い郡⒋丹长囡Lも気持ちがよかった。
「ちょっとしたドライブ気分ですな」
 横山刑事も、最初はのんきなことをいっていたが、さすがに現場へ到着《とうちやく》すると、ドライブ気分など忘れたような深刻な顔になった。
「ご苦労さまです。警部殿《どの》、さっそくですが現場付近にこんなものが発見されました」
 といって、警官がさし出したものは、着古されたごくありふれた型のダスタ骏畅‘トだった。ところどころに、血が飛び散っているのがすぐに目についた。
「これは返り血をあびたものらしいな。それでわざと捨てていったのだろう。一年ぐらいはそでを通していそうもないが……ネ啶猊蕞‘クもはぎとってある……おや、これは?」
 加瀬警部は、このコ趣巫螭饯恰⒅狻钉窑浮筏谓衰丧恧韦悉亭长婴辘膜い皮い毪韦蛞姢剖驻颏窑亭盲俊
「昨日《きのう》は午後まで雨が降っていましたから、ドロのはねがついていても、べつにふしぎはないでしょう」
 横山|刑事《けいじ》は首をふりふりいった。
「いや、よく見たまえ。ほかの場所にはぜんぜんはねはついていない。ここ、左肘のところにだけ、ドロがついているというのは、ちょっと不自然じゃないかね」
「そういえば、そうですが……」
「不自然といえば、警部殿、もっと不自然なものが、近くから発見されているのです。ハンカチは私のものですが……」
 警官のつき出したのは、スバル三六〇の模型だった。
「こりゃなんだ!」
 加瀬警部と横山部長刑事は、ほとんど同時に声をあげ、しばらく顔を見あわせていた。
 しかし、間もなく加瀬警部は、この奇妙《きみよう》な遺留品が重大な証拠《しようこ》であることを悟《さと》った。
 死体の身元が確認され、吉岡邦子が出頭して、この模型|盗難《とうなん》事件のことを陳述《ちんじゆつ》したために、犯人は前夜、吉岡家へ集まった五人のうちの一人だろうということが、容易に推定されたのである。
 ここまで来ると、吉岡茂がこの窃盗《せつとう》犯人を見つけ出して、スバルをとりかえし、それを根にもった相手が彼を殺した――という仮説は容易に生まれて来る。その際、犯人も逆上していて、この重大な証拠《しようこ》を現場から持ち去ることを忘れたのか、それとも後で徹底《てつてい》的に眨伽椁欷毪韦蚩帧钉健筏欷啤ⅳ铯钉葤韦皮菩肖盲郡韦ⅳ嗓沥椁摔护琛ⅳ长螝⑷朔溉摔饶P颓缘沥畏溉摔趣贤蝗摔人激铯欷俊
 この模型よりも直接的な証拠品であるはずのダスタ骏畅‘トは、かえって役に立ちそうにもなかった。血痕《けつこん》は吉岡茂の返り血だということは証明されたが、既成品《きせいひん》の標準型で着古しでは、五人のうちの誰《だれ》のものか、ちょっと識別できそうにもなかった。そして、この五人とも、体つきはだいたい似かよっていて、特別の大男や小男はいなかったのだ。

    4

「浜野常太郎は現場の近く――高井戸《たかいど》よりの方に住んでいます。ですから、地理的には一番あやしいことになりますね」
 横山部長|刑事《けいじ》は、加瀬警部に、捜査《そうさ》の結果を報告しはじめた。
「しかし、容疑者は誰《だれ》も自動車|狂《きよう》なのだろう。車を使えば、機動性が出て来るから、距離《きより》的に多少の遠近は問睿摔胜椁胜い铯堡坤省
「それはたしかにそうですが……それから、ラビット組の中崎隆一は、久我山と西荻《にしおぎ》の中間あたりに住んでいますから、これも下北沢《しもきたざわ》へ帰る吉岡茂を送って行くようなふりをして、途中《とちゆう》で殺すのはむずかしくないでしょう。もう一人の収集狂、金子進は目白《めじろ》に住んでいますが、これにしたところで、一度|卒倒《そつとう》させておいて、ポンコツで久我山まではこんで行くのはむずかしくもありますまいからね」
「そのポンコツはどんな車だ?」
「トヨペッサンというのは、ポンコツの中でも上等なほうだそうですが、彼の車ときた日には……」
「トヨペッサン?」
「トヨペットのボディに、ダットサンのエンジンをくっつけたポンコツだというんですがね……これなら素姓《すじよう》がはっきりしていますが、彼の車は何といいましょうか。まあ、ご本人にいわせれば、あらゆる車の精を集め、粋《すい》をぬいた車の中の車だというんですよ」
「それでも動くのかね?」
「止まるたびに、水をバケツに一杯《いつぱい》ずつ、補給する必要があるそうですが、とにかく動くことは動きますよ。エンジンや何かは知りませんが、ボディは国産、箱型で、木炭車当時の遺物じゃないでしょうか」
「おそるべき車だね。被害者《ひがいしや》のコレクションにも、そんな珍品《ちんぴん》はなかったろうな。それで残りの二人のほうは?」
「本物のスバルを持っている田原修治は国分寺《こくぶんじ》に、古物のフォ嗓颏韦辘蓼铯筏皮い雮}石義道は赤羽《あかばね》に住んでいます。ただこの二人は収集狂ではありません」
「収集狂でなくても殺人の動機はあるかも知れんが」
「私も念のために当たって見ましたが、田原修治は吉岡家からかなり借金があるようです。土地を売るとき、世話してやって、その金を途中《とちゆう》でふところに入れ、後で借金ということにしてもらったらしいんです。偅x道のほうは、中学時代から吉岡と同窓で、彼にはたえず劣等《れつとう》コンプレックスを感じていたようです。最近も恋人《こいびと》を吉岡にとられたというのですが、実情は女のほうから逃《に》げ出したらしく、吉岡のほうは相手が偅伪伺坤趣いΔ长趣现椁胜盲郡瑜Δ扦埂¥沥绀盲取⑷摔蝿訖Cとしては弱いですかな」
「ほかの三人のマニアのほうは?」
「何しろ、最初から『狂《きよう》』の字がつく人種ですから……コレクションのためなら、どんな卑劣《ひれつ》な行動でもやりかねないんじゃないでしょうか。そして、他人のコレクションを盗《ぬす》んだことがばれて、仲間の爪《つま》はじきになると思ったら、収集狂から殺人狂にかわっても、そんなにふしぎはありますまい」
「なるほどね。ところで、検視の結果、犯行時刻は昨夜の十二時ごろということになったが、そのころの五人のアリバイは?」
「五人のうち、浜野と田原が女房持《にようぼうも》ちですが、田原の細君は胸を悪くして入院中、浜野の細君も、旦那《だんな》の度をこした趣味《しゆみ》に愛想をつかして実家へ帰っています。したがって、五人ともアリバイはありません」
「車を持っている三人が、昨夜出かけた形跡《けいせき》はあるのか?」
「それが、そろいもそろった自動車狂で、金子進はオンボロ車を走らせるのは夜中にかぎるということで、深夜のドライブとしゃれこんだそうですし、偅x道は寝《ね》つかれないのでかるく二時間ほど流して来たそうですし、田原修治は腕《うで》をあげるため、夜間哕灓蚊途毩暋钉猡Δ欷螭筏妞Α筏颏浃盲皮い郡趣いΔ螭扦工琛
「やれやれ、とんだスピ煽瘛钉瑜Α窌r代だな」
 加瀬警部も苦笑《にがわら》いするしかなかった。

    5

 警部は五人をつぎつぎに呼び出して、あらゆる角度から尋問《じんもん》を続けたが、これという収穫《しゆうかく》はなかった。もちろん誰《だれ》も、このスバルの模型を盗《ぬす》んだことは否定したが、この五人の中に火事場ドロボウ、殺人犯人がいることは、まず確実といってよいのだ。
 当日、吉岡茂が訪《たず》ねて来たかどうかという伲鼏枻藢潳筏皮稀⒔鹱舆Mだけが肯定《こうてい》した。それも目撃者《もくげきしや》がいたために、しぶしぶ認めたような感じで、話しあいは友好的なものだったということだった。のこり四人はみんな否定したが、証言が本当かどうかは疑わしかった。
 田原修治の借金も三十万で、そのうち二十万は返していた。これも吉岡茂との話しあいの結果、土地の代金の中から友好的に借りたもので、邦子が妙《みよう》にかんぐったような事実はないようだった……。
 警部は、机の上にのっているスバルの模型を見ているうちに、ふと妙なことに思いついた。この殺人が、収集狂というような一種の異常心理をめぐっておこったものなら、一度吉岡茂のコレクションを見ておいたほうが、何かの役にたつのではないかと思ったのである。
 そのことを横山|刑事《けいじ》に話して見たが、刑事も何の異存はなかった。それから一時間後には、二人は吉岡邦子といっしょに、百三十六台からスバル一台だけなくなった、百三十五台

返回目录 上一页 下一页 回到顶部 2 0

你可能喜欢的